檸檬家〜れもんのいえ

日刊スポーツ「週刊ひろしまミックス」

2009/4/5

スポーツ&ステキ生活応援マガジン
週刊ひろしまミックス
BINGO MIX  Vol.168
2009年4月5日(日)週1回毎週日曜日発行

ナッツハウスで「和を愛でる」催し  

野菜を使ったおいしい料理を提供している福山市神辺町の食菜キッチン「NUT HOUSE」(ナッツハウス)(川南279、上原美穂店長)2階で毎月1回、きもの着付教室「檸檬家(れもんのいえ)」(尾道市十四日元町1−7、蓼原由美子主宰)が『和を愛でる』をテーマにした催しを行い、人気を集めている。

今回のテーマは「包む」。「『もったいない』という意識が世界で評価され、エコバッグが流行しておりますが、日本には風呂敷という伝統があります。風呂敷は機能的にも万能で、見た目にも上品なものです」と講師の蓼原さん。
参加者たちは用意された風呂敷の中からお気に入りを1枚選び、それを使って様々な包み方を学ぶ。最初は四隅を軽く縛って袋状に。「これは、帽子にもなります」と紹介され参加者も思わずびっくり。風呂敷のルールのない自由さに改めて感心した様子だった。続いて、対角のふたつをほどき、それを『真結び』で結ぶとちょっとしたポシェットに。「ほどいてズボンのベルト通しにむすびつけると、ポーチにもなります」。テッシュ箱も風呂敷で包むとぐっと高級感が増した。また固く結んでほどけなくなった結び目をとく方法には、あまりの簡単さに参加者たちもやや感動の表情に。

「ワイン衣」という包み方は、ボトルに着物を着せたように見え、ペットボトルでも同じように包むと和のテイストに。最後は「小輪の花包み」という、むすび目が花のように美しく見える包み方を紹介。小箱などでのプレゼントを贈る際に最適な技法。裏地がリバーシブルのものだとさらに花の色が美しく映える「風呂敷1枚あれば、何でも包めますし、持ち運びも楽。寒いときの肩掛けやひざ掛けにもなりバッグに入れておくと、とても便利」と蓼原さん。

参加した妹尾由美さんは「何枚もほしくなった。ちょっと包むだけでこんなに雰囲気が変わるものと知り、楽しかった」。糸井池嘉子さんは「こういう機会がないと学べないこと。アレンジして使いこなしていきたい」。川本さつきさんは、「荷物が増えたとき困っていた。紙袋を提げて歩くよりおしゃれでいい」。津田みゆきさんは「本で見てもなかなかわからなかったことがわかって、今日はよかった」と、それぞれ笑顔で感想を述べた。

「もともと娘に振袖を着せたいと思い着付けを習い始めたのですが、それが終着駅みたいなものでした。そこまでたどり着くまでに身につけた様々な技術や和の心を皆さんと一緒に楽しみたいと思い企画しております」と蓼原さん。同企画は3年ほど前から尾道でも行ってきたという。復刻本の紹介やお茶、着物の簡単な着付け教室なども企画しているとか。「『和』が身近になる勉強会を続けていきたい。若い子たちもコスプレ感覚で着物を着たりしてブームになっているようですが、本当のよさを知ってもらえたら」と語った。【山田富夫】

4月24日(金)は「能への誘い」。講師は吉田篤史さん。京都府在住で、シテ方観世流準職分。広島県内では92年から続く「尾道薪能」講演を行っているほか、安芸郡府中町・福山市内にけいこ場を持ち、謡や仕舞の指導を行っている。同日19時から講座があり、講座終了後は吉田さんを囲んでの歓談会も企画。
問い合わせ先 NUT HOUSE  Tel.084・963・1520