不思議な形をしたこのお菓子は千年前、遣唐使により伝えられた唐菓子のひとつです。 日本に伝えられ、今もなおその時の姿を残している京都・亀屋清永の「清浄歓喜団」です。白檀(びゃくだん)、竜脳(りゅうのう)、 桂皮末など七種の香を練り込んだ皮に餡を包み、上質の胡麻油で揚げた贅沢な逸品です。もともとは、天台宗や真言宗などの宗教儀式のお供えものとして使われ ていたものだそうで、天皇家と高僧だけが食べるのを許されていました。ぷんと香ばしい胡麻油の香りと、香の風味は、千年の歴史の味がしました。