保阪 真理(ほさか まこと)
京都を中心に染色を学んだ後、着物の文化・歴史・楽しさを共に学ぶ「勉強会」を開設。 尾道浄土寺『第5回源氏絵まつり』にて、特別講座「中世から現代への着物のうつりかわり」の講師も務める。 現在、福山にて「おしゃれ工房 昴」主宰。

                ふくさ
風 呂敷は、その名の通り風呂で敷いて使われたことが始まりと言われています。 現在でも家紋入りの風呂敷をよく見かけますよね。風呂敷に家紋を付けるようになったのは、室町時代の将軍・足利義満が建てた大湯殿に招かれた大名が、着物 の脱ぎ着の際、他の人のものと間違えないようにする為だと言われています。風呂に敷く布で脱いだ衣服を包み持ち運びしたことから、"風呂敷"の役割を果た すものになりました。 明治時代以降には、広く庶民の間にも普及し、結納などで使われたりと日本人の生活になくてはならない存在になりました。 ところが外国からカバンが輸入されるようになったり、昭和40年代になるとナイロンの風呂敷やポリ袋、紙袋も作られ、しだいに昔ながらの風呂敷は姿を消し て行ったのです。  そして今、ゴミ問題や環境汚染が問題となっている中、人々のエコ意識が高まり、昔ながらの風呂敷が見直されてきています。