今
月のお菓子は、広島県は尾道の銘菓、中屋本舗「鯨羊羹」です。 江戸の昔、北前船の寄港地では天神様に鯨羊羹を献上されていたそうです。
天神様すなわち菅原道真の怨霊から免れるために、鯨の力強さと生命力をかたどったこの御菓子を献上する事で、無事な航海を願ったといいます。
古くから尾道でも食べられたという「おばいけ」の姿に模して作られた鯨羊羹は、薄く黒い羊羹を載せた白く厚いういろうで、その食感は桜餅のようにツブツブ
しています。普通のういろうに無い食感と、後をひかない甘さが印象的なお菓子です。
「おばいけ」・・・鯨の尾びれをそう呼び、特に港町では、それを薄く切って湯にさらし、酢味噌に付けて食べられています。おばいけの黒い表皮と白い脂皮の断面に似せて、鯨羊羹は作られています。 |